第2章

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「あっ」 しまった。思わず通話ボタンを押してしまい、桜木に電話がかかってしまった。 すぐに切ってワン切りをするのも失礼だと思い、そのまま耳に携帯を押し付ける。 「もしもし?」 ツーコールもしないうちに桜木が出てくれて、ほっとすると同時にどうしようかと思う。 「えっと、俺神田です」 「神田くん、どうしたの?」 「や、その…大した用ではないんだけど、桜木クンの声が聞きたくなって」 つい馬鹿正直に話してしまったことを後悔するが、桜木は引く様子も無く、「俺もいま神田くんのこと考えてた」と返してきた。 嬉しくて、口元が緩んでしまう。
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