第2章

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「桜木クンもそういうこと言うんだね。」 「えっ変かな?」 「変じゃないけど、意外」 「そうかな。俺、結構神田くんが思ってるよりも普通だよ」 「桜木クンは俺にどう思われてると思ってるの?」 「えっ、えーと、大人しくて、女みたいとか?これ、よく言われるんだよね」 「桜木クン、エスパー?確かに最初はそんな印象だった」 「やっぱり…俺ってそんなに女顔かな」 しゅんとした様子の桜木が目に浮かび、俺は電話越しに微笑む。 今回の電話で、また新たな桜木の一面を知れた。 電話から聞こえる桜木の声が少し低いことや、電話は嫌いじゃないこと、女顔を気にしていて、男らしくなるよう努力していること。 話すたびに、桜木のことをもっと知りたいと思う。 裏表のないまっすぐな物言いや、桜木から垣間見える純真さは、俺の心をくすぐるのに十分だった。
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