第2章

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一瞬気まずい空気にしてしまったものの、その後数十分は楽しく会話でき、また明日学校で話す約束をし、電話を切った。 電話を切ってから、少しショックを受けている自分がいることに気づく。 桜木って誰かと深い関係になったことあったんだ。 男子高校生ともあれば普通のことだ。 しかし、本音を言うと、先ほど桜木に質問した時、「好きになったのは神田くんがはじめて」だとか自分に都合のいい答えを期待している自分がいた。 「はー、俺、痛すぎる…」 自分のことを棚に上げて桜木の過去に対して嫉妬なんて、みっともないとわかっていたが、考えずにはいられなかった。 桜木の口ぶりから言って、忘れられない人だってことは確かだ。 付き合ったって言えるかわからないって、身体だけの関係だったってことなのか? いや、桜木に限って、そんなはずはない。きっと何か別の事情があったんだ。
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