第1章

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「いや、楽しい1日になりそうだなあと思って」 「彰、どうした?お前からそんな言葉が出るなんて…」 いつも退屈そうにしている俺を知っているからか、真は目を丸くして驚く。 「何だよ、俺だって学校楽しいって思うことあるよ」 新しく、気の合いそうなお友達ができたときとか、な。 珍しいこともあるもんだなと呟くと、真は読んでいた漫画雑誌に視線を戻す。 俺の頭の中では、数日前の、顔を赤くしながらしどろもどろに、手紙を読む桜木の姿がリピートされていた。
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