プロローグ

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 うだるような暑さの中、日向春乃はラーメン屋にて醤油ラーメンを啜っていた。 「いい食いっぷりだねぇ、春乃ちゃん」    そんな春乃を、同じ席に座る四人のメンバーが面白そうに眺めている。  彼らは春乃同様、天乃坂大学の在学生。そして同大学のオカルト研究会のメンバーであった。もちろん春乃も所属している。 「最近、カップラーメンしか食ってなかったんで……」    春乃は口をモゴモゴさせながら答えた。 「ちょっと、ハルっち!言葉遣いが汚いよ」  そんな春乃を、隣の関望美が嗜めた。  彼女は経済学部の三年生。このオカルト研究会のマドンナ的な存在だ。 「けっ!マドンナなんていつの時代の話よ」などと春乃が嫉妬するくらいの美貌。つまり、めちゃくちゃ美人なのだ。 「すんません、ノゾミンさん」 「もー! ハルっちは可愛いんだから、そんなガサツだと勿体無いよ?」 「可愛いとか、それ自分より下だと思うヤツに言う台詞ですよね?ま、事実ですけど」なんて言えるわけもなく。 「あはは、気をつけます」と答えるだけに留めるのだった。
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