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昼1時を過ぎて、練習を再開する前に
伊達メガネ先生に提案しておいた。
「伊達先生。昼からは全体の流れを
しっかり確認したいので、昼からは
ナル君の代わりにわたしが演っても
良いでしょうか?」
流れを確認するだけなら、
ナル君でなくても問題ないはずだ。
他の人は問題ない。ナル君だけだ。
「そんな事言ってもな~」と
伊達メガネ先生は拒否をしそうな
気配を感じた。だから、使う。
【IRRESISTIBLEMENT】!
「…まぁ、流れを確認するだけだし、
ナル君にはセリフを覚えてもらわないと
いけないから、今日は仕方ないか…」
わたしの<タレント>である【IRRESISTIBLEMENT】の能力は、
「目が合った相手をわたしの
言いなりにしてしまう力」を持っている。
たかが凶師(きょうし)と言えども
凄腕の<タレント>を持っていると
聞いてはいるが、不意に使えば
避けられるはずはない。
日本語で「あなたの虜」と名付けた
能力は、思い通りにならない人を
操る場合に隙を狙って使う。
勘づかれた事は皆無である。
能力は「力」じゃあない。使い方次第だ。
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