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「…ということで、先生の許可も
下りたので昼からは、わたしが
『ノエル』役を演っていくわよ~」
「上手くやったわね」とわたしの
<タレント>を使う瞬間を見抜いたのは
腐れ縁のウェンディだった。
…流石にウェンディには分かるか…
だが、それからはセリフに詰まる
事は少なくスムーズに進行していった。
アラーキー君は、わたしがセリフを
覚えていないだろうと思ったのか、
「次は、○○だよ☆」とか
いちいち歯を輝かしたように
囁きながら『耳打ち』していたが、
わたしは何十回と台本を読んでいたり、
原作も台本と併せてかなりの回数を
読み込んでいたので『耳打ち』の
必要など全くないぐらいだった。
「流石アヤちゃんだよな~」と
クラスみんなの称賛を浴びるのは
心地好かった。
「ケーキは別腹」と言って、
思う存分甘いモノに浸る時のように
「もっと浴びせなさい」と思うくらい
貪欲に称賛を求めていた。
その後も順調に進み、確認を終えた。
劇は40分と少し足りなかったので、
サクラちゃんやロック君、伊達メガネ先生と
意見を付き合わせて、膨らます部分を
検討していった。
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