夏休みに入って②

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「…ということで、先生の許可も 下りたので昼からは、わたしが 『ノエル』役を演っていくわよ~」 「上手くやったわね」とわたしの <タレント>を使う瞬間を見抜いたのは 腐れ縁のウェンディだった。 …流石にウェンディには分かるか… だが、それからはセリフに詰まる 事は少なくスムーズに進行していった。 アラーキー君は、わたしがセリフを 覚えていないだろうと思ったのか、 「次は、○○だよ☆」とか いちいち歯を輝かしたように 囁きながら『耳打ち』していたが、 わたしは何十回と台本を読んでいたり、 原作も台本と併せてかなりの回数を 読み込んでいたので『耳打ち』の 必要など全くないぐらいだった。 「流石アヤちゃんだよな~」と クラスみんなの称賛を浴びるのは 心地好かった。 「ケーキは別腹」と言って、 思う存分甘いモノに浸る時のように 「もっと浴びせなさい」と思うくらい 貪欲に称賛を求めていた。 その後も順調に進み、確認を終えた。 劇は40分と少し足りなかったので、 サクラちゃんやロック君、伊達メガネ先生と 意見を付き合わせて、膨らます部分を 検討していった。
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