夏休みに入って②

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だからわたしの<タレント>は 自分で出来ないなら、他人になんとか してもらったら良いんじゃあないの?と 心の奥底の「自分」に言われている ような気がしてならない。 「仲間」が助けてくれる。とは真逆で わたしの<タレント>は他人を操っている。 これでは「仲間」とか「友情」と 言うには遠いような気がする。 現代社会における、親と子供の 「心」の距離くらい遠い。 でも、こうして誰かの役に立てる自分は 好きだ。お金では買えない「何か」が 得られているからだ。 「ズッギューンッ!」 わたしが自己嫌悪からの空想に 浸っている間にきゃりーちゃんの 作画が完了したようだ。 さっきの奇声は「メメタァ」と 同じで何かを意味する「暗号」だろう。 「んー。素晴らしいー。 さすが、きゃりーだー。凄いねー」 中田君はきゃりーちゃんを誉めて いるのだろうけど、中田君のあまり 抑揚の無い声に感情があるかは謎だ。 一仕事やり終えたきゃりーちゃんは、 そのまま、倒れてしまった。 「だ…大丈夫なの!?」 「あー。大丈夫だー」 本当に感情が見られない。
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