―そこに棲まうモノ―

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ドキドキと鼓動が跳ね回る。 「何……? 家鳴りって、こんなに大きい音がするの?」 『もしもし、美鈴? もしもし?』 聞こえてくる母の声に、はっと我に返って受話器を耳に当てた。 「あ、もしもし、お母さん?」 『どうしたの? 何かあった?』 心配げな母の声に私は「ううん、何もないよ」と答えを返す。 『何だかね、今日は帰れそうにないのよ』 「ええっ? 何、お父さんそんなに悪いの?」 母の言葉に父の病状が悪化したのかと、心配になった。
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