4人が本棚に入れています
本棚に追加
熱い悔し涙が、冷たい頬を止めどなく伝う。
訳も分からず、訳の分からない何かに首を絞められて死ぬなんて、こんな理不尽なこと絶対イヤだ!
必死に手足に力を込める。
でも、それが返って髪の毛を体に食い込ませてしまい、私の喉は更に締め上げられる。
誰……か。
コメカミに、せき止められた血液の脈打つ音がガンガンと響き、天井がぐるぐると回る。
誰か、助けて――。
救いを求めて、唯一自由になる目をぎゅっと瞑った。
『何かあったら、念仏を唱えろ』
酸欠で薄れゆく私の脳裏に、真次くんの黒い瞳が過ぎる。
意志のこもった、真っ直ぐな黒い瞳。
最初のコメントを投稿しよう!