第1章

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「白浜、ちょいと待ちな。」 帰って何をしようかな、なんて考えていたらめんどくさい人に話しかけられた。 というかびっくりするので急に現れるのはやめてくれ! 「おめーんとこのクラスに誰か転校してきたらしいじゃねーか。どんな奴だ。」 「眼鏡かけた女の子だよ。名前は風林寺さん。確かな。」 話しかけてきたこの男は新島春男(にいじまはるお)。私と同じ中学の出身で俗に言う腐れ縁ってやつだ。新島は強い奴と群れ、めんどくさいことに巻き込まれるので私としてはなるべく切りたい縁なのだが。 「なんでぇ、じゃあ、あのクラスのパワーバランスに変更なしと…。」 「いや、彼女何か習ってるな。」 今朝のことを思い出して私は言った。新島は私の言葉を聞き手にしていた電子手帳とやらになにやらメモする。ちなみにその電子手帳には今年度の全一年生のデータが入っているらしい。 そして、聞いてもいないのに新島は勝手に私のデータを読み上げてくれた。転校生の情報のお返しらしい。心底いらんお返しだな。菓子にしろ菓子に。 「白浜ネリネ(しらはまねりね)…成績、上!運動神経、上の上!ルックス、上の上!体格、中の上!ケンカ指数、未知!根性、中!総合評価B+(ぷらす)!!」 「……お、おう。」 戸惑いつつもちゃんと答えた。今になって気づいたがこれは恥ずかしい。なぜそんな褒めちぎる!?新島はいつも私を過大評価しすぎだ。 ということを伝えたかったが生憎恥ずかしすぎて無理だった。返答した後はもう光のごとく逃げ帰ったったわ!
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