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「すーずね」
それでも諦めきれない春一は、隣に眠る鈴音の瞼にキスをしてイタズラをする。
僅かの時間だが、深い眠りに落ちて少し体力が戻っていた鈴音は、困り果てたような引きつった笑みを浮かべながら目を覚ました。
まったく、あまりに無茶をすれば、鈴音にフラれてしまう危険性だってあるのに、春一はそんなこと全然頭にないようで、今にも鼻歌でも歌いだしそうな上機嫌な顔をして鈴音のことを見下ろしている。
そんな顔を見れば、鈴音だって怒るに怒れない。
春一は、
「鈴音。ちゃんと寝る前にさ、もう一回、風呂に入んないか?」
聞いてきた。
春一が奮発したお陰で、この部屋には専用の露天風呂がついている。
天然温泉掛け流しで、24時間いつでもOKだ。
春一の提案に、鈴音は仕方ないなぁといった顔で、
「ん」
と了承する。
すると、
「よしっ」
春一は言って立ち上がると、いきなり鈴音のことを抱き上げた。
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