冬依の中学1年生

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しかし、さっき空振りした二番目の男が、背中から少女の両肩を捕まえた。 拘束された状態で、また三番目の男が女の子の顔めがけて、固く握った拳を飛ばしてくる。 女の子はその場で、膝のクッションを利用して身体をひねる。 ChooChoo TRAINみたいに円を描くように斜めにスライドした少女の身体は、ガッチリと掴んでいたはずの男の腕を難なく外す。 代わりに三番目の男の拳が、女の子の残像を突き抜け、仲間の顔面に直撃。 間違って仲間を殴り飛ばしてしまった男の方は、懲りることもなく、今度は足で蹴りかかっていく。 少女は身軽にバックステップ。 空中で空回りする男の蹴りは、身体をズラした少女の陽炎を追い、またもや、味方の身体を激しく痛打。 「あれっ!?」 過失で仲間をノックアウトしてしまった男は、信じられないと、呆然とした顔をする。 そこに、蝶が飛んだかのように華麗に繰り出されるのは、少女のハイキック。 「!」 男は顔面に直撃を喰らって、冗談みたいにごろんごろんと転がっていく。
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