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「あいつらの目的は万引きじゃないからね。いくら黒井さんが制服着てうろついたって、また同じことやるよ。
ううん、今度は店の中で騒ぐとか、他のお客さんへのメーワク行為とかを始めるかもね」
「え?」
聞き捨てならない言葉に、仁依は驚いて冬依の顔を見る。
まじまじと見つめてしまったら、冬依は恥じらうように頬をうっすらと染めて、
「――」
何かをぶっきらぼうに差し出してきた。
近づいて見てみれば、冬依の手のひらの上には、仁依のヘアピン。
さっき受け取るのを拒否してしまったものだ。
「……」
だけどもうここは、コンビニが目の前の大通り。
ひと通りもたくさんある。
仁依は指のばして、そっと冬依の手の中からヘアピンを摘まみ上げる。
冬依はちょっと、うれしそうな顔。
「……」
やっぱりこの子、一級品の美少女だ。
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