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すると少女はふと顔をあげる。
こちらを見て、ばちりと目が合う彼女は、やっぱりこの世の奇跡じゃないかと思えるほどの超美少女。
少女は小さな口を開いて、
「大丈夫、ありがとう」
と微笑む。
これぞまさに、天使の微笑み!
中学生、いや身体つきが華奢だから、小学生だろうか。
時刻はまだ20時だが、こんな綺麗な子が、ひとりで雨に濡れているなんて、あって良いわけがない。
だから仁依は、
「傘持ってないの? だったらそこのコンビニで買ってきてあげる。ちょっと待ってて」
ついでにタオルも買おう。
それから何か温かい飲み物も、と考えながら、いま通用口から出てきたばかりのコンビニに駆け戻ろうとすると、少女がパッと仁依の手首を捕まえる。
美少女なのに意外と力持ち。
仁依は少女の胸へと引き戻される。
手を引かれてぶつかった女の子の身体は、これまた意外に固い。
でも、雨に濡れたせいでふわりと匂い立つ体臭に胸がドキリとさせられた。
少女は、
「ホントに大丈夫なの。ボク、人を待ってるだけだから」
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