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やがて公園の入り口から、身体の大きな男が姿を現した。
ストーカーや生活指導と聞いて、メガネをかけた神経質そうな男を想像していたのだが、あにはからんや、まるで体育教師のような身体の四角い大男だ。
呼び出された店長の姿を探して、キョロキョロと辺りを見回している。
仁依が緊張して息を潜めていると、
「坂田先生」
冬依の方から声をかけて近づいていった。
「……キミは?」
坂田のいぶかしげな声。
辺りは静かだから、ふたりのやり取りはばっちり聞こえてくる。
もしも、の時を警戒して、携帯を握る仁依の手のひらがじっとりと汗ばんでくる。
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