冬依の中学1年生

27/50
前へ
/50ページ
次へ
「!」 仁依はその時、冬依の作戦を悟った。 冬依は、坂田の興味を店長から自分に移そうとしているのだ。 もともとのすべての原因は、この坂田という教師が店長に好意を寄せたことにある。 ストーカー行為で警察から接近禁止命令を受けても、坂田は店長を諦めなかった。 だから、生徒に万引きさせるなどという姑息な手段をとって、店長と連絡を取ろうとしているのだ。 それなら、坂田の興味を店長から自分に移してしまえばいい。 冬依は単純にそう考えたのだ。 確かに冬依の美貌をもってすれば、それは可能かもしれないし、坂田だって、 「そんなに言うなら、キミ、少しだけお話しようか」 なんて言いながら、冬依を公園のベンチに誘っている。 だけどこれ、そんなに簡単な話で終わるのか!
/50ページ

最初のコメントを投稿しよう!

117人が本棚に入れています
本棚に追加