冬依の中学1年生

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冬依は、 「弱みだなんて心外だなぁ。それに結局、この結果を選んだのはあいつ自身だ。先生という立場にありながらボクの誘惑に負けたんだもん。それって自業自得じゃないの?」 冬依にそう言われてしまえば、仁依も反論はない。 確かに間違いなく、まだ中学生の子どもに手を出そうとした大人の方に、100%の非がある。 どんなに冬依が抗いがたい魅力が持っていたとしても、どんなに魔性のような色気を放っていたとしても、それは冬依の個性であり、別に冬依のせいではない。 「ボクはね、ただ、みんながやられたのと同じ辛さを、これからあいつに教えてやりたいと思っただけさ。 この写真、教育委員会とかにバラされたら、言い訳できない証拠になるでしょう」 ニコリと花が咲いたように笑う冬依は、綺麗なのにそら恐ろしいことを口にする。 「ひとりやふたりの目撃者じゃ、弱みチラつかされたり、携帯壊されたりして無かったことにされちゃうかもしれないからね。でもこれだけの人が見てれば、噂だってすぐに広がる。Lineで回すから証拠隠滅も無理。 あいつはこれから、どこの高校に異動になったって、生徒を操るなんてマネは一生出来ないよ」
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