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ところが、
「もう……、大丈夫だって言ったのに、お姉さんったら」
少女の方が困ったように唇を尖らせてみせた。
そんな仕草もコケティッシュで可愛らしい。
その顔のままクルリと男たちに向き直ると、
「なんか邪魔入っちゃったから、あっち行って話をしようかオニーサンたち」
こちらも意外そうな顔をするカバンを持った男に近づいていき、握っているカバンの取っ手の上から、そっと手のひらを重ねる。
いきなり美少女から手を握られて、つい頬を赤くする男。
少女はスルリと男の手からカバンを奪い取ると、
「はい。黒井さんは、これを店長さんに返してきてね」
仁依にカバンを差し出した。
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