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龍一は私の髪を撫で、額にキスして、
「大丈夫か?」
と聞いてくれる。
でも私は、ドクンドクンと私の中で脈打つ龍一に、ジワジワと快感の波に打ち寄せられ、返事をすることもままならない。
もう一刻も早く、今すぐにでも龍一が欲しくて、それをねだろうと唇を開ける。
だけど……。
漏れたのは、淫らな喘ぎだけだ。
龍一はピクリと眉を動かして、少し動く。
全身に電流を流されたような快感。
私は背を反らして、それを頭のてっぺんにまで通す。
体を貫いた刺激そのままの声が、唇からほとばしった。
すぐにでも自ら腰を振って達してしまいそうになるのを、龍一は肩を押さえつけて、私を止めた。
涙目になって、荒い息遣いで龍一を見上げれば、
龍一は怒っているみたいな、怖いぐらいの鋭い目つきで、
「慌てるな。夜は長いんだ」
低い声でささやいた。
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