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この前、龍一に連れて行かれた先が、 たかが湖面をぴちゃぴちゃと叩いて戯れていただけの、他愛もない子どもの遊びだったと、私は知る。 今夜私を責める龍一は、 私を揺さぶり、 突き上げ、 湖そのものを決壊させてしまいそうな、大嵐を送りこんでくる。 感じさせ、 喘がせ、 達しようとすると腰をひく。 溢れそうになる感覚の波を、ギリギリのところで、無理やり引き戻す。 見事なくらいに私をコントロールして、 悶えさせ、 龍一のことしか考えられないように、狂わせていく。 私は龍一を求めて、 欲してたまらなくて、 すすり泣くような声をあげて、 龍一にすがりつく。 「……感度センサー良好」 龍一は満足そうに呟いて、私を操っていく。
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