3 母

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3 母

その時、 「ミャーゥ!」 ミャーが甲高く吠えた。 そしてミャーは、龍一の背中を蹴って、美百合の顔面に飛びかかる。 さっきはミャーのアタックで、美百合の中の葛原は、一旦、姿を消した。 だから龍一は、ミャーの盾となって、ギリギリまで葛原の視界からミャーを隠したのだ。 ミャーは、龍一の肩を蹴りながら、そこに刺さっていたハサミを弾き飛ばし、 「グゥッ」 龍一を呻かせた。 龍一の血をひいて、ハサミは吹っ飛ぶ。 その血しぶきを体に受けて、美百合に飛びかかっていったミャーが口を動かした。
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