第1章

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最近の私と日課はカフェに行くことだ。 苦手な英語を克服するために、家ではあまりやる気がしないので、カフェで勉強している。 今日もTOEICの問題集を解いている。 私のいけない所は答えを覚えてしまうこと。だから2回目に問題集をやると、答えがわかってしまう。そして、何となくできているような気がしてしまう。 だからと言って一回ごとに新しい問題集を買ってたらお金がなくなってしまうので、もう仕方ないこととして答えを覚えながらやってる。 覚えるなら文法事項や単語がいいのにね。 そうして問題を解いていたところ、おかしなことがあった。 絶対にAが正解だと思っていたのに、解答を見るとBとなっている。 解答の解説によると「△△だから××になるのでBとある。」 いやいやいや、△△だから◯◯になるからAなんだよ!! なんだこの解答!英語がわかってない!! 「ちっ!」 思い切り舌打ちをして顔を上げると、 隣の席に座ろうとしていた見知らぬ男性と目が合う。 バッチリ目があってしまい、どうしていいか分からず、とりあえず会釈してみたら、あちらも会釈をした。 「どうしたんですか?」 何が起きたか分からず顔をあげると、彼が私にしゃべりかけてきてた。 目鼻立ちがはっきりしていて、強気な目がこちらを見ている。 同い年くらいだろうか。少し肉付きがいい。 「あ。えと。解答が間違ってるんです。」 「え。解答は間違いないでしょ?」 座った時に目にかかった前髪をかっこよく後ろに流しながら聞いてくる。 「いいえ!これは絶対に間違えているんです!!私が正しい!」 間違っているのは私だと言われたようで悔しくて声にトゲが入る。 「大した自信だな。まっ!がんばれ!」 そう言って彼はパソコンを起動させ何やら作業をし始めた。 「はーい。」 ポソリと答え私も勉強を進めた。
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