第1章

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「私も好きだよ。」 愛しい気持ちがあふれてきて太一の手を握る。熱いその手は私が握ると指を絡めてきた。 太一は幸せそうに微笑んで私にキスをした。 恋人とむかえる朝はどうすればいいのか、私にはよくわからない。 朝ごはん作る?でも他人の部屋だよ?勝手にあさるのって泥棒じゃない。 モンモンと考えながら太一の寝顔を見る。 眠る顔は幼い。 羨ましいなぁ。女は寝てる顔のがふける気がするんだけど。 朝ごはんは太一が起きてからどうするか決めよう。 私に出来ることは少ないかもしれないけど、太一のために出来ることは全てやるね。好きになってくれてありがとう。 そうして私たちは恋人になった。 半同棲のように私は太一の家にいることが増えた。 苦手だったけど毎日朝ごはんと夜ご飯を作って、たまにダメだしが入る。それが何だかくすぐったくて楽しい。 掃除をして、エロ本が見つかって大爆笑。 洗濯をしてベランダで干して、いつもは部屋干しだった私だけど外で干すことの素晴らしさに気づいた。 ある日太一に元気がなかった。 口数が少なくてどうしたのかなお思ったけど、コーヒーとお菓子をだしてそっとしておいた。 話したくないことだってあるよね。 後から聞いたら仕事でトラブっていた。 けど、大丈夫だ。と言っていつもの笑顔を浮かべる太一を私は尊敬する。 私の彼氏はNo.ONEだなと思った。 そんなこんな2ヶ月後、生理がこなくなった。検査薬で陽反応。 いやいやいや。 婦人科へ行く。 母子手帳を渡された。 妊娠した。 結婚のことお金のことを考えると憂鬱だけどひとつの命がお腹にいること、すごく幸せだと思った。 世界中にありがとうと、叫びたい!!! あーりーがーちょんまげー!!!! 太一と話さなくては。まだ付き合って三ヶ月。結婚の話はでたことがなかった。
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