ー第一章ー

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「貴様が被害者を気にかけると言う事は...」 「あぁ、幼女だ」 「ですよねー」 んなキメ顔で言われても反応に困るわ。 でも確かにここ最近そう言うニュースは増えている。が、その中で果たして本当の事件はどれだけあるか...。 「しかも今年に入ってから頻繁に起きている行方不明事件には共通点がある!」 「ほう?」 共通点...ダメだ、最近ニュース見て無いから全くワカンネ。こういう時だけ宗の事を尊敬するわ。動機はともあれ情報収集力に関してはこの部一番だと思う。 三人しか居ないが。 「共通点は三つある。 一つは全員前日まで元気な姿を見せていた。 二つ目は全員夜に外出している事。 三つ目が一定の期間が経つと被害の出る地域が変わる。だ」 宗は指を一本ずつ立てながら教えてくれた。 ふむふむ、それで最近はこの地域で行方不明事件が多発しているから暇な俺達で解明してみよう、って所か。 「あー、最近警察が多いのもそれが原因か」 「恐らくな、警察も捜査中なんだろ」 「それにしても何故貴様はそんな事を?」 「"笑顔を見せてくれる幼女も見せてくれない幼女も防衛する軍"通称<EDF>の情報網は広いからな、僅かにでも危険が及ぶ場合の事も知れ渡っているし、何より昨日花鈴ちゃんも誘拐された。それで独自に調査して次犯人が現れそうな所も押さえてある。」 「あー、お前にそのヘアバンド渡したあの子か。道理で仕事が早い訳だ。」 「あぁ。どこぞの馬の骨に誘拐させてしまった自分に腹が 立つ...!」 宗はそう言って悔しそうにギリッと強く噛み締める。 「お、おう。まあ良い暇つぶしにはなると思うし、各自用意して...そうだな19時に俺の家に集合で」 「イエッサー!」 「了解した」
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