ー第一章ー

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時刻は進んで18時30分頃。 俺は30分後にある誘拐犯の調査の準備をしていた。 因みに俺は実家から今の学校が遠いのでアパートの二階で一人暮らししている。間取りは1K、部屋は縦長な形で玄関入って少し進むと左手に物置、キッチン。右手にトイレ、浴室。そのまま奥に進むとクローゼット付洋室がある。 で、洋室で荷物を纏めているんだが...えーっと、要るものって何だ...。誰か誘拐犯を調査した事のある方は居ませんかー。何が必要か教えて下さーい。 まあ返事はある訳なく俺は使えそうな物を適当にリュックに詰めていく。てかあったら逆に怖いわ。 「あ、食い物も持って行けよー。いざという時に腹減って動けませんじゃ話にならないからな」 「ん、そうだな」 ってちょっと待て宗、何自然に人の家に上がり込んでるんだオラ。親しき中にも礼儀ありって言うだろ、つい普通に返しちゃったけどさ。せめてインターフォンくらい鳴らして入ってきやがれ。まあ今に始まったことじゃないし、果実のぎっしり入ったゼリーで許してやる。 ピンポーン どこの家にでもあるようなインターフォンの音が部屋に響く。 そうそう、こういう感じでさ。 「入るぞ」 「どうぞ―」 玄関の方から声が聞こえたので適当に返しとく。 「ふっ、相変わらず小汚い部屋だな」 「うっせ、そのうち可愛いメイドさんが来てくれるから」 「で、この部屋見て回れ右して帰るんですね分かります」 「泣きそう」 俺の部屋って言うほど汚くないと思うんだがなぁ。アレか、部屋が散らかっている人ほど散らかってないよーって言う的なアレか。 「で、準備は終わっているのか?」 「大体な、後は調査に向けた作戦くらいじゃないか?」 後、すごい今更だけどまだ集合30分前だよね。俺19時って言ったよね。部長(笑)の話聞いてあげようね。まあこれも以前からだし何も言わない。そもそも言うほど気にしてないしな。悲しきかな、この部屋に女性が入ったこと無いから人間の営み的なのとバッタリ遭遇ってのが無いからね、自分で言ってて辛くなってきた...。 「流石にノープランで調査しようなんて言う間抜けじゃねーよ。 」 「では聞かせて貰おうか」
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