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「あぁ、まず今回の事件は急がないとヤバい。
理由は子供だけでなく大人も誘拐して総数は50人を超えるのに身軽に移動している事。
この事から多分誘拐した人をそのまま殺しているんだと思う」
「どこかで隠してるって可能性は?」
「全国区でEDFがスーパー等の食糧を売っている所を調べたりしたがどこも変化は無かった。つまり少なくとも被害者の分の食糧は買っていないと思われる。ま、詳しい事は今日犯人を捕まえて全部吐いて貰おうぜ!」
「EDF凄くね...」
「それだけ日本には...子供を護りたいと思う人間が居ると言うことだろう。...多少思いが過剰気味な気がしなくもないが」
随分頑張って良いように言ったな玲、そう言う所は素直に尊敬するわ。
にしてもあれだよね、警察の中にもEDFが存在するって言われても信じられるわ。
「そう言う訳で早めに出発したいから部長、許可を!」
「おう、許可する。一刻を争うからな、用意が出来次第出発!」
「イエッサー!」
「了解した」
俺の家に集合してから50分後。
今俺達は別々の所に潜み同じ場所ーーある民家の前を見張っている。鬱蒼とした林が正面に面しており住宅街の端にある普通の家だ。俺と玲が林、宗は家の庭(許可は貰った)に隠れている。
因みに手筈は単純で不審人物を発見次第取り押さえると言う流れ。
別々の場所を見張った方が効率が良いと言う意見も出たが、俺が「仮に相手が魔法使いだったりプロの犯罪者だった場合、三人でも厳しいかもしれないのに一人で相手するには荷が重過ぎるので却下」と言い三人で同じ場所を見張る事になった。
正直、今回の事件に普通じゃ無いものを感じているのは確かで、それはあいつらも感じている様だった。
犯人の手口は鮮やかで痕跡一つ残さない。それこそ別の世界にでも飛ばした様に。つまり被害者を助けに行くって意味も含め犯人ひっ捕え異世界転移ワンチャンあるで!
....という冗談はさて置き。
だからこそ慎重になり、確実な手を打つべきと言う訳でみんな準備は万全だった。
玲は身軽な服装に家に置いてあった木刀とナイフが幾つか。ナイフは隠し方が上手いのか言われるまで気付かなかったが。
因みに何故木刀を持っているかと言うと玲曰く、刀で人を斬るか斬られる為に刀の扱いに少しでも慣れておく、と言う不純極まりない理由で実戦向けの剣術を指導してくれる道場に通ってたから、との事。すまん、大人しく斬られといてくれ。
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