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――――これは夢・・・・・・・・・なのか?
粉々になった机も、椅子も、黒板も、大量の血を流しながら横たわる美音の姿も
その血を浴びて真っ赤に染まるこの俺の腕までも・・・
そう、これは夢だ
と思った瞬間、急なめまいに俺はその場に倒れ込んだ。
ふと目が覚める。
まぶしい光に目を細めながら、
俺は状況を把握しようと視線を動かす。
するとこちらを心配そうに見つめる陰があった。
悠だ。香坂 悠、俺の幼馴染。
「玲、大丈夫?」
無視したわけではないが、状況が知りたくて頭を抱えて、
「何があったんだ?教えてくれ」
と頼んだ。
すると悠は、そんなことを気にしない様子で、
「玲、どこまで覚えてる?」
本人は気にしていないようだ。
「えーと、ごめん、全部・・・話してくれるか?」
「解った」悠はゆっくりと事件の全貌を話し始めた。
「今日の昼休み、学校にミュータントが現れたの。どこで発生したかはわからないけど・・・」
そうか、思い出した。俺は美音がミュータントになるところを見たんだ・・・
吐き気がした。
それを察したのか、悠は、
「わかったようね」と一言、言い話をやめた。
一時間前、俺は学校の屋上にいた。
“それ”を見た直後の話だ。
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