― 第一話 ―

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― 第一話 ― 「おい、どうしたんだよ美音」 涙を流していたのかはわからない。 その得体の知れない美音の姿におびえていたのかもしれない。 「美音!目を覚ませ!」 俺は―――わかっていた。 ミュータントは人間の言葉を話さない。その動きも予測不可能だ。 だが、わかっているのはただ人を殺すこと”それ”のみである。 それを止めるにはこいつを殺すしかない。 そんなことはわかっている。 しかし理論や理屈を超えて、美音助けたい、助けてやりたいと思った。 美音は俺の恋人だ。もちろん今も変わりはない。 その思いが戦闘での次の一手を迷わせた。というのも一つの理由だが、 ただ単純に俺の実力が伴わなかったというのが、大きいと思う。 いつもはチームを組んで行っている戦闘。しかし今回はチームもいない、ましてや元は美音なのだ。おそらく、あと数分間 ”変わってしまった美音”と戦えば、俺は確実に、死ぬ。 それは、 “変えられない運命 “ のはずだと思っていた。 ――――はずだったんだ―――― なぜ。 俺の最後に見た光景と、まるで重ならない。 どうして。 「玲!玲!」 自分を叫ぶ声で我に返った。 「もう、玲。ぼーっとしちゃって。」 そして悠は一間おいて、 「LMSの人が来てるよ。」 そう。俺はエレメンタル・マスターズ通称LMSとという “軍”の第三部隊に所属している。 LMSの幹部は、厳かな空気をかもちだし、ベッドの前に座り、一拍おいてこう述べた。 「君は、―――ため、軍を追放する。」 俺の前に立っている男性が何を言っているか全く理解出来なかった。 ミュータント殲滅作戦と市民使用物破壊禁止条例に違反したためだと・・・?
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