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江戸時代に二人は夫婦でした。
ある時から妻が顔の半面に赤黒い腫れものができて、医者にも見放されて夫は、毎日煎じ薬になる薬草と、張り薬になる薬草を夜が明けるとともに山に入って探し手当をしました。
そして熱のために動けなくなった妻の仕事も、一度の文句も言わずにしました。妻は、三年間寝込んでいましたが、気分が良くなって顔に巻いてあった布を鏡の前で取ると昔より美しい肌になっていたことで、夫への感謝と神への感謝で涙があふれて止まりませんでした。
それからは、奥さんは前世から今世まで、ずっと夫に尽くしたいと願い、今回も同じ相手と結婚したのです。
他人から見ると美女と野獣ですが、神から見ると玉の輿です。
これらの話を夫婦に話すと、奥さんは「私、まだ尽くしてもらっています。
子供がいないから捨てられても仕方ないのに」と、しみじみ言います。
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