目的を持って再び、同じ相手と結婚した三村さん夫婦

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私は、これから頑張るようにと言い、二人の体の具合の悪い所を治してあげました。 ご主人に、「茶碗蒸しが好きだよね」と言うと奥さんが、「大好きなのです。玉子ものが大好きで」 これは、奥さんに対するヒントなのです。 それから、ひと月ほどして二人のお店に行くと「奥さん尽し足りないね」と言葉が出ました。 「自分では、はっさくや、オレンジなどのみかんの類の皮を取って一口だいに切ってフォークで射してあげているのですが、尽くすってどうすればいいのですか」 私は笑いながら「ちらし寿司が欲しいってよ。錦糸卵をいっぱい敷きつめて、その上に大きな赤い海老の乗っかっているもの」ご主人は、何にも言わないで黙って聞いています。 奥さんは、「そう言えば、ちらし寿司は最近作っていませんでした。手巻き寿司ばかりで、ちょうど穴子をもらったので、さっそく作ります。」 長年夫婦をしていても夫の欲しい物が、わからないものですね。 愛し合っていてもこれだから、離婚する人などはどちらか、あるいは二人共が相手のことがわからないのでしょう。 最後にご主人がぽつりと、私に「こんな人がいると、力強くて助かるなあ」実に楽しい夫婦です。
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