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拝啓、キルティアの皆様。いかがお過ごしでしょうか?
俺ことセイムは元気に過ごしています。ちょっと性格がアレな召喚主や、ちょっとやんちゃな子供たちとの暮らしはなかなか楽しいです。
チカラを失って最初は戸惑いましたが、知識があればそれを補えると気付けたのが幸いと言うべきかどうか……とにかく色んな危険を退けました。
なんか金髪が差別されるという素晴らしく最悪な世界らしくて仲間ができるか不安でしたが、差別しない人もまあまあ居て安心してます。
さて、いきなり何故こんなことを思い始めたかと言うと……。
「貴様ッ!! 聞いているのか!!」
「セイム早くこのワーギャー騒ぐ家畜を何とかしてください」
───なーんかすっごい太ってる生徒に絡まれてるの。どんぐらい太ってるかってマ○コ・デラックスをマ○コ・EXに改名した感じ。
まあ事の顛末を簡単に説明するとだな……。
「セイム。今日から新学期ですね。かなり面倒です」
メルの一件があったあの日を乗り越え、春も最中といったところ。俺達の学年は1つ進んだ。
今日は始業式&対面式である。1年生といちいち対面するなんて面倒なことだと俺も思っているが、学校側としては友好を深めてほしいのだろう。
「ま、マシな後輩が入ってくるの祈っておきましょうや」
「みんなどうせ下賎な家畜ですよ。ああ嘆かわしい」
「家畜って……お前なぁ──」
「おっと。そろそろ出ないと遅刻してしまいますね。さっさと行きますよ」
嫌われるような言動をしないよう注意しようとしたが上手く躱しやがった……言われるまでもないってことだろうな。
「──はぁ。まぁいっか」
元から俺達は嫌われてるんだしな。
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