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赤、青、緑、茶、灰、黒、白。
これらの色以外の髪を持つ者達はこの世界でイロチと蔑まれている。正確に人権を剥奪されている訳じゃないが、世界の最高峰の奴等が差別を推奨してるからないに等しい。
しかしこの世界にも穏健派というか、差別を嫌う人達は少なからず存在するわけで……そんな人達のお陰で俺達はこうやって過ごせてる。
蔑まれる理由としては、髪の色がその人の属性を表していてイロチに関しては属性なしだと言われているからである。実際は固有の属性を有しているだけなのだが。
つまり、だ。
「まだいんのかよアイツら……」
「さっさと消えねぇかな。目障りつーか不愉快だわ」
「え……この学園イロチいるの? うわぁ」
こうやって通学路を歩いてると上級生下級生同級生、そして生徒に関わらず全ての人に陰口を叩かれるわけだ。その中には小さな子供も混ざってたりする。
石とか投げられてるがもちろん俺が叩き落としている。
「いやー、毎日飽きないよな。もう慣れちまえばいいのに」
「ミレアはもう慣れましたけどね。慣れない人達の脳は腐っているのでしょう。チンパンジーのお仲間になればいいのに……」
という風に毎度挑発するから敵も増えていくわけで……。
いつもはもう1人登校に付き合ってくれる人が居るのだが、これから行く学園……スピカレッジの生徒会長なため今日は早めに行って準備しているらしい。
「新入生チラホラ居るな……」
「どうせみんなオランウータンに劣る頭脳の持ち主ですよ。気にすることはありません」
いや~、今日のミレアは随分とご機嫌だな~。
そんな風に侮蔑の視線を浴びながら学校へと辿り着いた俺達。靴を履き替えて2年の教室へと足を運ぶ。途中で色々絡まれたが軽くあしらったので割愛。
教室へ入るとすぐにある奴が声を掛けてきた。
「…………ちゅー」
「近付くなボケ」
───否。俺の顔へと顔面を近付けてきた。
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