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「おい」
背中を揺さぶられ、
「おい、ひで、起きろって」
耳に声が届く。
目を開けた英明は一瞬にして態勢を整えた。
「くそ」
「大丈夫か、ひで」
「ああ、おまえは」
「なんとか」
二人は背中を寄せ合うようにべったりとくっつき部屋中を確認する。最後に台所に目を向ければ、もうそこには何もいない。
「おまえ、見ただろ」
「……すまん」
「いいよ。仕方ない。でももう大丈夫かも、何も感じない」
「一体なんだったんだあれ」
「たぶんな……」
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