台所の女

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パン。 というラップ音が聞こえ始めたのは12時にさしかかろうとしている時だった。 パンパン。 部屋の隅から音が聞こえ、隆と英明は固まり、つばを飲んだ。 「これ、いつも聞こえるの」 「いや」 目を合わせ、お互いに何かを感じ取るように周りを見回す。 パンパンパン。 三回目の音が聞こえた時、 「うっせー、黙れ。迷惑だなタコが」 英明が突如空に向かい怒鳴る。 「ラップ音てのはな、霊が自分がいることを分からせようとして出してる音なんだよ。だから、それに負けたらやられるから、音が聞こえたら怒鳴れ」 「まじか。やっぱおまえ呼んでよかった」 「俺は全く嬉しくない」 「そんなこというなよ」
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