第1章

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思い出をいつまでも引き摺る俺は女々しいんだろうか。 だけど忘れられない思い出と約束。 俺の家は農家ですいかをこれでもかって位生産していて、当たり前のようにおやつはすいかで。 世間一般ではすいかの最盛期は夏だそうだけど、ここでは初夏から食べられる。 暑い中、それでも縁側で2人並んで食べるすいか。 隣で笑う、みあちゃんの可愛い笑顔。 頬張る口を見て俺も笑顔。 『はゆむくん、なんでわらってるの?』 不思議そうに尋ねるみあちゃんに俺は一大決心の告白。 『みあちゃんはすいかすき?』 『うん、だいすき』 『おれとけっこんしたらまいにちすいかたべられるよ』 みあちゃんは顔をくしゃっとさせて頷いた。 『うん、みあは、はゆむくんとけっこんする』 『ほんと?』 『うん、けっこんのやくそく』 そう言って触れた唇は甘かった。 すいかのせいか分からないけど、凄く凄く甘かったんだ。
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