第1章

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なのに、幼なじみの高群実亜はいつの間にか可愛いだけじゃなく綺麗になって、大人っぽくなって、なんとなく俺を避けるようになった。 思い違いじゃない、だって美亜は俺ん家に遊びにこなくなった。 あれだけ頻繁に家に来てたのに、友達と遊ぶとか宿題一緒にやるとか言って、寄りつかなくなって。 高学年にもなると学校で男女で話してるとからかう奴もいてなんとなく気恥ずかしくて話せなくて。 そんなんで、益々共通の話題もなくなって。 こんな近くで似音信不通状態って、意味わかんねえ。 婚約不履行で訴えるぞなんて言えるようなしっかりした契約じゃない、幼い頃の戯言のような約束に縋り付いてるのは俺だけなんだ。 これを女々しいと言わずして、何が女々しいと言うんだろう。 こんな俺だから美亜はとっとと見限った。 たぶん、それだけの話。
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