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「レイア?」暫くしても何も言わない私にセシルは歩み寄ってきた。
「…ご…ぃ」
「えっ?」聞き取れなかったのか聞き返したセシルに抱きつく様に見上げて言った
「凄い!凄いね!全然見えなかったよ!
どうやってあの間合いを一瞬で詰めたの?うわぁ!凄いよ!」私の剣幕に驚いたのかセシルは一歩下がったが直ぐに私の頭を撫でながらありがとう。と言ってくれた
「流石は私の大好きなセシル!」
「っ……」
「ん?どうかしたの?」なんで急に驚いたんだろう
「なんでもないよ」また頭をひと撫でされセシルとの遊びはここまでとなった
セシルside
最初は凄く憂鬱だった。なんで僕が女の相手をしなければいけないんだと……でも王であり父でもあるあの人には逆らえる筈がなく。その日を迎えた。
謁見の間に通された貴族との挨拶が終わり、王は僕にハーウェル家の令嬢を庭へと案内しなさいと言ってきてので、彼女の前に行き手を差し出した。
どうせ、媚びてくるんだろう。そう思っていた。彼女は差し出した手にそっと手を添えた。……その手が震えていた事は勘違いではないと思う。僕に粗相をしないようにと緊張してるんだろうと決めつけて庭へと案内した。
今までの令嬢は常に自分の事を良く見せようと他の令嬢の悪口ばかりでウンザリしていた。だか彼女が話してくれたのは些細な世間話や自分の経験だったりと面白いと思った。
「それでですねっ!……やっぱりセシル様にはつまらないですよね…」
「えっ……いや!そんな事はないよ!」
「いいんですよ…気を使われるよりかはハッキリと言われたいですし。」
「本当に違うよ!!」
「えっ?」僕が考え事をしていたせいか彼女は落ち込んでしまった。でもつまらないんじゃなくて……ただ
「君は変わってるなと思って。」
「私は普通だと思いますよ?」わざとではなく疑問的に首を傾ける。首を傾ける動作を見るたびにイライラしていたでも彼女のはイライラしない事に気付いた
「ほら…変わってるよ…」
父上と彼女の両親の話が終わったのか迎えがきた。これで終わりなのかな。そう思うとここで終わらせたくないと思った。
「セシル」突然言った事に驚いたのか
えっ?と返した
「僕の事はセシルって呼んで」
「…私の事はレイアと呼んでください!」
彼女も嬉しそうに僕に言った
レイア……普通とは違う令嬢……君となら仲良く出来る気がするよ
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