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中学最後の学期ということもあり、クラスではほぼ毎日、進路と受験結果の話題で盛り上がった。
僕は成績がよかったので、随分と早い段階に推薦で地元の有名進学校に決まっていた。
そのせいでクラスでは、あまり会話に加わることができなかった。
櫻田は隣町の私立の女子高に決まったと聞いたとき、不思議な安堵感とこれから顔を見られなくなる寂しさを感じた。
櫻田に対して、そんな感情を抱いたことに自分でも驚いた。
毎日の生活に支障はなかったが、卒業間近になると同級生たちからは独り言がひどく、よく学校を休むやつだと思われていた。
気がつけば僕の中学生活は、最後の最後で友達とも距離をおくようになり、部活と本を読むことで終わった気がする。
結局、卒業しても櫻田がなんで僕を避けているのかはわからなかった。
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