高校生

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高2になると本を読んでいても、頭の中で声が響き渡りまったく集中できなくなった。 とくに唸り声がしているときは、吐き気を我慢することができなかった。 唸り声に対する自己流の対策として、ヘッドフォンをして大音量で音楽を聴くようになった。 バイト代でSENNHEISERのMOMENTUMというヘッドフォンを買った。 耳を包み込む感じが心地よく、制服意外でもどんな洋服にも合うと思い込んで常に持ち歩いた。 いつの間にかSENNHEISERが僕のトレードマークになった。 ただ、どんなに大音量で音楽を聴いても唸り声を遮ることはできなかった。 体調がよいと、唸り声や鳴り響く鐘の音を無視することができた。 このころ徐々にではあるが、声をコントロールできるようになり始めていると感じていた。
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