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大学3年の夏に地元に帰ったときに駅の改札で偶然カネケンに会った。
カネケンはすぐに僕に気づき、屈託のない笑顔で寄ってきた。
高校3年の春まで続けたバイトだったので、カネケンとは3年近く一緒に仕事をしたことになる。
当時、カネケンはスケボーに夢中でバイト先にもスケボーを持ってきていた。
あの頃、バンドをやっているようには見えない僕がギターを買うためにバイトをしていると話すと、カネケンは目をキラキラさせながら自分の好きなHIP HOPのCDを貸してくれた。
関西で活動している「FU-TEN」というグループがお気に入りらしく、メンバーのDJ.TATAMIとはスケボーを通して交友があり親しいと言っていた。
僕はスケボーもHIP HOPも興味がなかったので、カネケンの話の半分も理解できなかった。
カネケンとは3年近く会っていなかったが、驚くほど変わっていなかった。
ただ、首筋と腕のタトゥーは、知り合いじゃなかったら目をそらしていただろう。
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