435人が本棚に入れています
本棚に追加
/146ページ
カネケンの持つ「Toy Machine」と大きな赤い刺繍が入ったバックパックに引っ掛けられたNIXONのヘッドフォンに目がとまった。
「カネケン、ゴツイ、ヘッドフォンしてるね」
「ああ、これ。クールだろ!初期モデルなんだぜ。けどデカすぎてスケートには向かないんで、あんまし使ってない」
「へぇ~カッコイイのに。音とかどう?」
「音?そうゆうの気にしないってか、よく分かんね。まあ、スタイルで選んでるから、俺」
「ってか、お前がずっとヘッドフォンしてんの見てて影響されたんだよ、俺」
「へぇ~マジで?全然気がつかなかったよ」
「ほら、お前のヘッドフォン、イカツクてカッコイイじゃん。イヤホンしてる連中は多いけど、いつもヘッドフォンしてるヤツって珍しかったし」
僕は頭の中の声が聞こえないようにと思ってヘッドフォンをしていただけで、バイト先で変なファッションのときもあったことを思い出して恥ずかしくなった。
最初のコメントを投稿しよう!