第1章

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突然だが、バイドというものを御存知だろうか? 曰く、邪悪な生命体。曰く、絶対生物。曰く、人工の生ける悪魔。 ヒトと同様の2重螺旋の塩基配列であるDNAの生命書式に依って立ち、自己複製および増殖を行う粒子によって構成された超集束高エネルギー生命体である。 有機物、無機物に関係ないばかりか、さらには人の精神すら融合捕食して己の一部としてしまう。 物質存在でありながら波動としての性質を持ち、あらゆる存在に伝播する。つまり、近づくだけでも上記の融合捕食の危険がある。 本体は異層次元に存在しているため、物理および相対論的に殲滅することは極めて困難である。物理的肉体は氷山の一角と同じである。 極めて強い排他的攻撃衝動を持ち、その特性は次元の壁を越えても普遍的である。故に、バイドとの融和は不可能だ。 バイドを駆逐可能な攻撃手段は同じバイドを兵器転用したフォースおよび波動兵器に限られる。 …そう、私はバイド。 地球に生まれ、そして追われたモノ。 それでいい。 「司令官さんが鎮守府に着任しました、これより艦隊の指揮をお願いします。」 さあ、行こうか。
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