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龍一は唐突に加賀見を見返った。
己の昂りを放置したまま、龍一のモノを想像していた加賀見は、龍一のいきなりの直視にどう反応していいかわからない。
そんな戸惑いの中、
ジーンズを半分だけずりおろし、地面に膝をついている、このみっともない男のことを、
龍一は、どう思うだろうという恐怖に脅える。
嫌われたくない。
思わず自分を両腕で抱き締めた。
すると、龍一がふと立ち上がった。
クルリと振り返れば、はだけたシャツがひるがえり、腰骨の辺りまであらわになった悩ましい姿が見える。
龍一の前は、ファスナーが開いたままだ。
腰に引っ掛かっているだけのズボン。
その奥に、下着を貫かんばかりに猛っている龍一自身。
そんな姿のままで、龍一は加賀見の前まで無造作に歩いてくる。
突然の状況の変化に、加賀見は、焦り、とまどい、
そして――、
言葉を失った。
目の前に……。
腕をあげれば触れられるぐらい側に、龍一が立っている。
腰を抜かしている加賀見の目線のすぐ前に、龍一自身がいる。
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