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飾り門の入り口からも、家の裏手からも、プジョーの向こうからも、湧き出るようにスーツ姿の男たちが姿を見せる。 「ご同行願おうか」 谷口の口調は丁寧だが、態度がとても『願って』いるようには見えない。 どんな手を使っても、龍一を捕まえるつもりだ。 「一個小隊でご苦労なことだな」 龍一は肩をすくめた。 「確認するが、任意同行ではないんだな」 「ああ、正式な逮捕状だ」 「どの案件を引っ張り出して逮捕状を取ったのかは知らないが、今は緊急事態だ。少し待て」 谷口は首を振る。 「俺の少しは5分以内だが?」 「なら、後にしろ」 龍一と谷口は睨みあった。 お互い、一歩も引く気はない。 だが龍一が、 「仕方がない。こうしていても、事態が好転するものでもない」 譲歩してみせると、その了承とも取れる言葉に、谷口は少し緊張を緩める。 本気の龍一を相手にすれば、どれだけ訓練を積んだ精鋭を揃えても、無事に済ませる自信はなかった。 穏やかに話し合いで決着がつくなら、それに越したことはない。 だが、そのとたん、   ――龍一の体が反転した。 跳ねるように体を翻し、門に向かって走り出した。
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