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こんなひどい頭痛と吐き気をこらえながら戦わなきゃならないと思うと、一気に絶望的な気分になった。
力をふるい起こそうと思っても、オレの中のソーリアの血が体をすくませる。
本当は、泣き出したいくらい怖かったけど……後から来る慧と伊波のために何とかしなきゃという、その思いだけで動いていた。
(せめて、少しだけでも奴らの数を減らさなきゃ)
悪鬼たちは木のまわりをぐるりと取り囲み、オレを見てうなり声を上げていたが、しばらくして先頭の1匹が、枝から枝へ飛び移りながら、木を登り始めた。
いっせいに木に登ってこられたらどうしようかと思ったが、悪鬼は、木登りはそんなに得意じゃないようで、その動きはぎこちなかった。
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