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ぴちょん。
……ぴちょん。
ぴちょん。
あぁ、気になる。
蛇口から落ちる水滴の、ちょっと可愛らしくも思えるあの音。
この教室から、その蛇口のある水飲み場までは他の教室より一番離れているのに。
私の耳には確かに、水滴が一定の間隔をもって落ちる音が聞こえる。
私が気にしすぎなのは、わかってる。
でも、気にしないなんて出来ないんだ。
今までは蛇口を誰かが緩めにしめて、水が滴り落ちても全く気になんてしなかった。
水がもったいないとかちょっと思うくらいで、通りかかっても知らないふりをしていた。
でも今は、黒板の前で教科書を読む先生の声よりも、名前を呼ばれて朗読を始めるクラスメイトの声よりもよくよく聞こえてしまう。
どうしてなのか、それはついさっきの授業が終わったあとのことだった。
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