捻って溢れるのは水じゃなく、逆に捻っても収まらないんだ

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私は小学六年生の女子。六年一組。 名前は、暮羽(くれは) 六年生の教室は四つあって、水飲み場は四組の教室の前にある。 今は国語の授業中で、その前は体育だった。 今日の体育は外の運動場でマラソン。太陽は照りつけるし、暑いし、汗かくし、疲れる。 やっとのことで走り終えて、ちょうどチャイムも鳴って、授業が終わった。友達の女の子とお喋りしながら校舎に戻る途中。 同じクラスで、ちょっと美人だと人気の女の子、友美(ゆみ)が、マラソンのせいではない理由で頬を染めながら誰かを見ていた。 それは、同じクラスの男の子。両脇の髪を刈り上げていて、その短くなった髪を汗がキラキラと濡らしている。ちょっと日に焼けた顔や腕が健康的で、友達と笑い合う表情が爽やかで格好いい。 すぐにわかった。友美はあの男の子が好きなんだ。 そんなふうに思っていたら、一緒にいた友達が忘れ物をしたから取ってくると、戻っていった。先に行ってていいと言われて、待ってようかちょっと悩んだけど、先に校舎に入った。
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