#04

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 彼との間には信頼関係はあると思っていたし、ないと出来ないような行為を積み重ねてきたはずだった。  でもそれらは全て俺が勝手にそう思っていただけで、俺の欲望をただただ彼にぶつけていただけだったのかもしれない。  もしくは、とうとう俺との行為に飽きてしまったのかもしれない。  元々つかみ所のない奴だったのだから、こうなることも全く予想していなかったわけじゃないけれど。  週末になってもベッドの中に彼の体温はない。  出会った頃のように、毎晩毎晩違う男と寝ていたっておかしくはない。  だって、そういう彼に惹かれたのだから。  そんな彼を俺一人で長い間独占してたのが、間違いだったのだろうか。  彼の身体のことなら奥の柔らかさまで知り尽くしていたのに、心の中は何も手に入れられなかった。  部屋に残された首輪とリードが、彼が消えたという現実を突きつけてくる。
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