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週末の歓楽街とはいえ、電車もバスもない深夜2時すぎは人通りもまばらだ。
彼のジーンズの後ろのポケットに手を突っ込んで、もっと静かな場所へ向かう。
「なんかちょっと腹減ったね。ホテル行く前に軽くなんか食べる? それともコンビニでなんか買う?」
「コンビニでいいよ」
あの日トイレで見かけた時のように、俺にしなだれて歩く。
コンビニに入ってもずっとそのままで、何を食べたいか尋ねても、
「何でもいいよ。俺嫌いなものないから」
と気怠そうに答えるだけだった。
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